大腸カメラ
大腸カメラが大切なわけ
大腸がんは男性、女性とも増加傾向で、がん死亡原因の上位を占めます。
大腸がんのおおくは腺腫というポリープが時間をかけて増大・成長し、がん化しています。ポリープの状態では自覚症状はなく、自分で気が付くことはできません。また健診でひろく採用されている便潜血検査では大腸ポリープの有無は評価できません。たまたま施行した大腸カメラで大事にならずに治療できる病変が発見される方はとても多いのです。検査の際に見つかったポリープはその場で治療を行います。(日帰り手術) 大腸カメラでポリープを切除することによって、大腸がんを未然に防ぐことができます。40歳を過ぎたら大腸カメラをおすすめします。
当院の大腸カメラの特徴
当院の内視鏡検査は「より楽に、より精密に」という理想を追求しています。
① 眠っている間に行う苦しくない検査
麻酔を使って半分眠っているような状態で苦痛なく検査を受けることができます。ただし麻酔の効果に頼っているのではなく、痛みを感じないような丁寧なスコープの挿入を心がけています。スコープによって腸が延ばされることで苦痛が生じます。極力腸を伸ばさないように、やさしく手繰り寄せるようにスコープを挿入していきます。ここに検査医の技量差がもっとも現れます。たわみなくきれいに挿入することが見落としのない精密な検査、確実な治療にも直結します。
② 経験豊富な内視鏡専門医による検査
大腸は非常に曲がりくねった臓器であり、人それぞれいろいろな特性があるため、スコープの挿入技術・ポリープの治療技術において検査医の技量差がとても大きい検査です。当院では内視鏡治療に20年以上携わり、様々な経験を重ねてきた内視鏡専門医が検査を行います。他院での挿入困難症例や、治療困難症例を数多く対応してきた技術と知識で検査を行います。
③ 高性能な内視鏡システム
当院では病気を見逃さないためにフジフィルムの高精細内視鏡システムを導入しています。複数の高出力LED照明と最新の画像処理、顕微鏡診断にせまる光学倍率145倍の拡大機能、「BLI」や「LCI」などの特殊光観察、4K高解像度の大型ハイビジョンモニターを使用しています。これらのテクノロジーを使いこなし、認識しにくい小さな病変を拾い上げます。
④ ポリープはその場で治療
大腸ポリープは長い時間をかけてゆっくり成長しがん化するリスクがあります。検査中に発見したポリープはその場で治療を行います。しかしすべてのポリープが切除すべき腫瘍性ポリープというわけではないので、その見極めも重要です。長年内視鏡治療に携わってきた確かな技術で治療を行います。
⑤ おなかの張りを抑える炭酸ガス送気
検査中はある程度ガスをいれて腸管を広げないと病変の見落としが発生します。検査中の送気には空気ではなく、吸収の早い炭酸ガスを用いることによって、検査後のおなかのハリ感を抑えます。
⑥ 検査後に休めるリカバリースペース
検査後ゆっくり休めるリカバリースペースを準備しています。麻酔がしっかり覚めるまでお休みください。そのあとに検査結果を詳しく説明します。
⑦ 前処置の下剤の工夫
前処置の下剤がつらかったという方もいらっしゃるかと思います。一般的には検査当日午前中に2リットル近い下剤を内服して、何回もトイレに行き、お通じを水のようなきれいな状態にします。私自身、味が苦手で下剤を飲みきれたことがありません。そのため前処置薬としての下剤にはいくつかの種類を用意して、患者様が許容できるようなものを相談して選択します。
⑧ 院内で下剤服用スペース
ご自宅で下剤を服用するのが心配という方や、遠方でクリニックに来るまでの途中が心配という方には、院内での下剤服用スペースがあります。半個室のリクライニングソファでゆっくり下剤を服用し、その方専用のトイレを備えています。ご希望の方はご遠慮なくお申し出ください。(感染対策のため1日最大2名までとさせていただいております)
⑨ 万全を期した感染対策
検査毎にガイドラインに準じた洗浄を実施しております。また鉗子類はすべてディスポーザブルを使用しています。内視鏡室は高容量の換気システムを導入しています。
⑩ 土曜日の検査にも対応
平日お忙しい方は土曜日の検査にも対応しています。
大腸カメラ検査の流れ
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受診
まずはじめに当院の外来を受診していただきます。症状の経過、併存疾患や内服薬などについてお聞きしてから検査日程を決めます。また下剤の使い方について説明します。WEBで直接大腸カメラの予約を取った場合には、下剤の使いかたについて説明しますので検査3日前までにいちど外来受診をお願いします。 -
検査前日
検査前日の夕食は20時頃までにお済ませください。消化の悪い食品(野菜や果物、海藻やきのこ、こんにゃく等)を避けてください。夕食後も水やお茶は構いません。
寝る前にプルゼニド4錠を服用します。 -
検査当日
検査当日は朝食をとらないでください。水やお茶は構いません。
血圧や心臓の薬はいつもどおりお飲みください。糖尿病の薬は飲まないでください。
薬の飲み方に関して質問があればご相談ください。
およそ検査の4時間前からご自宅で洗浄剤を飲み始めます。当院の標準的な前処置法では大体1.5Lの洗浄剤を3時間くらいかけて服用していただきます。お通じが透明な液体状態となった段階で服用は終了です。服用中にお腹が痛くなったり、ご気分が悪くなるようなことがあればご連絡ください。 -
ご来院
ご自宅でしっかり排便を済ませてからお越しください。ご自宅を出る時間にまだ排便がおちついていないようであれば、無理をせずに落ち着いてからお越しください。
麻酔を使うので車やバイク、自転車での来院はお控えください。
検査予定時間にご来院ください。(予定時間より早く来る必要はありません) -
検査
はじめに専用の検査着に着替えていただきます。
検査入室後に麻酔を入れるための点滴をとります。
検査中は横になって楽な呼吸を続けていただくだけです。検査所要時間は15-20分程度です。
切除が必要なポリープがあれば、その場で治療します。 -
検査後
検査後はリカバリールームで30分ほどお休みしていただきます。目がしっかり覚めてから検査結果を詳しく説明します。大腸ポリープを切除した場合には1-2週間後に再度受診していただきます。
最新の内視鏡システム
フジフィルム 6000システム
当院では高出力LED光源が搭載されたフジフィルム社製の内視鏡システム「EP-6000」を採用しています。最新の画像処理、顕微鏡診断にせまる光学倍率145倍の拡大機能、「BLI」や「LCI」などの特殊光観察などのハイテクを使いこなし、カメラの能力を最大限に引き出します。
大腸カメラ
EC-6600ZP 拡大観察による病変の詳細な評価が可能。さらに副送水もあり治療にも万能。硬度可変、高追従挿入部、カーブトラッキングなど挿入しやすいスコープ特性。
炭酸ガス送気システム
検査中の送気には炭酸ガスを使用。空気に比べて早く吸収されるため、検査後のおなかのはり感が大幅に軽減されます。
VIO100C
多彩なモードを備える高周波装置。ポリープ切除や止血時にそれぞれ最適なモードを選択。
スネア・鉗子
すべてディスポーザブル機材を使用。多彩な大きさ・形状を取り揃え、病変に応じて最適な処置具を使用します。
検査費用
大腸カメラ
大腸カメラ(観察のみ) | 1割負担 約2000円 | 3割負担 約6000円 |
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大腸ポリープ切除 | 1割負担 約7000~9000円 | 3割負担 約19000~25000円 |
上記費用は検査のみの値段です。これに加えて診察料(初診料/再診料)がかかります。