にきび治療(イソトレチノインの内服)
イソトレチノインとは
イソトレチノインは、ビタミンA誘導体の一種を成分とするニキビの内服薬のことです。
重症ニキビや酒さの治療に使用される内服薬で、保険適応外の内服薬となります。
アメリカをはじめとする海外では30年以上前から使われており、重症ニキビに対して特に有効です。
アメリカ皮膚科学会でも治療の第一選択薬として推奨もされています。
これまで保険内で治療できる外用薬や内服薬を試したが、効果がみられなかった方
中等度~重度の慢性的なニキビで悩んでいる方
何度もニキビを繰り返してしまう方
ニキビが悪化してきた方
などに効果が高いお薬になります。
ブツブツがひかない酒さの方にも適応となります。
イソトレチノインの効果、作用とは?
☑皮脂の分泌を抑える作用
しっかりした期間内服することで、皮脂腺の退縮が期待できます。ニキビの原因の主たるものは毛穴詰まりと言われており、皮脂の分泌を抑えることによって詰まりを解消し、ニキビの原因となるアクネ菌の繁殖を抑えることができます。
☑抗炎症作用
ニキビの周りでは、増殖するアクネ菌に対抗しようと過剰に体の免疫反応がはたらいている場合があります。イソトレチノインはこの過剰な免疫反応を抑え、ニキビの赤みや炎症を沈静させる効果があります。
☑皮膚細胞を正常化する作用
角化異常を整える作用があるため、肌のターンオーバーを促進することで、毛穴詰まりを改善し、ニキビができにくい肌状態を導くことができます。
イソトレチノインの副作用は?
一番多いものは皮膚の乾燥です。治療中は全身の皮膚や口唇が乾燥しますので、十分な保湿をお願いします。
また、肝機能障害や高脂血症の報告もあるので、当院では内服前と服用開始1か月後に採血をして十分管理をしております。(この際の採血は自費6000円になります)
稀な副作用としては、一過性のニキビの悪化(赤みやかゆみ)・頭痛・体のだるさ・骨の痛み・うつ症状・脱毛などがあります。
☑最大注意点
イソトレチノインには催奇形性があるので、内服中と内服終了後一定期間の避妊が必要です。また授乳もできません。
服薬期間中と服薬後1ヶ月(理想はそれ以上)は避妊を徹底してください。
また、内服終了後、最低でも1か月は献血できません。
イソトレチノインを服用できない方
●ミノマイシン・ビブラマイシン等のテトラサイクリン系の抗生物質を内服している方
●フェニトインやステロイド内服している方
●妊娠中の方、妊娠の可能性がある方
●授乳中の方
●肝機能障害のある方、中性脂肪、コレステロールの高い方
●ビタミンA過剰症の方
●イソトレチノイン製剤、トレチノイン製剤、ビタミンAでアレルギーを起こしたことのある方
イソトロインの治療
必ず医師の診察が必要となります。
初回採血(¥税込6000円)により内服治療が可能かどうかを判断いたします。
3か月以内に健康診断などで採血をしている場合は、結果をお持ちいただければ、特別に初回の採血はしない場合もあります。
内服開始後は、1ヶ月後の受診時に再度採血をし、肝機能障害や高脂血症などの副作用がないことを確認いたします。
その他にも、医師の判断で必要時に採血を行い、副作用がないか経過を観察していきます。
通常4~6か月の内服を行いますが、治療には個人差があるため、さらに長めに内服することもあります。
内服終了後は、ニキビができにくくなりますが、体質の個人差により再発することもありますので、適宜スキンケアや保険の外用剤なども使用しながらいい状態を保っていくことをおすすめします。
気になるほどの再発がある場合は、1クールの治療終了後、最低でも2ヶ月間(できれば4ヶ月間)の休薬期間を取り、2クール目の治療を行うかどうかを検討します。
費用
当院のイソトレチノインはアクネトレントを使用しております。
アクネトレント20mg 1ヶ月分(30錠) ¥13200 (税込)
別途、診察料(初診料¥2,200税込、再診料¥1,100税込)がかかります。